56年6月に突然の事故でクリフォード・ブラウン(と、リッチー・パウエル)を
失った、マックス・ローチの衝撃がどれほどのものかは
想像に余りあるが、レコーディングの上では、勢いに陰りは見られない。
ピアノの椅子にはレイ・ブライアントが座り、トランペットには当初
『クリフォード・ブラウンの後継者』として過大(?)評価されていた
ドナルド・バードが迎えられたものの、彼にクリフォード・ブラウン役が
務まるわけもなくまもなく、旧友ケニー・ドーハムを加えて事なきを得た。
新生クインテットは9月に「マックス・ローチ・プラス・フォー」を録音したが
(エマーシー)
どこか衒学的な匂いのするハードバップであった。
続く、本アルバムでも、当時、ジャズではあまり用いられていなかった
3拍子(ワルツといった方が分かりやすいかも? )でアルバム1枚を構成した
と言う点では意欲作ではあるのだが、聞いて楽しい第一級のモダンジャズに
仕上がっているのは各曲のメロディの美しさと、ケニー・ドーハムや
ソニー・ロリンズの歌うようなインプロヴィゼーション(≒アドリブ)が
鮮やかに融合しているからだろう。
「ヴァルス・ホット」「世界で一番美しい娘」はそれぞれソニー・ロリンズの
『ソニー・ロリンズ・プラス・フォー』『テナー・マドネス』
(ともにプレスティッジ)に収められている曲の再演だが、比べるまでもない。
ヴァルス・ホット~ジャズ・イン3/4タイム/マックス・ローチ
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